里帰り出産で夫はどうなる?パパの実体験から、苦労したこと、夫のリスク、やるべきことについて真面目に語ります

himaguriです。
私達は、現在住んでいるところが京都なのですが、実家が夫婦とも関東なので、話し合って里帰り出産を選択しました。
そのため、妊娠後期~出産後の期間中、私は京都に残り、妻と子供は東京の妻の実家で生活をしていました。
その期間は結果的に7か月間となりました。
今回は、パパの視点から、実際に里帰り出産をしてもらいどうだったか、メリット、デメリットについて、私が感じたことを記事にしていきたいと思います。
パパ向けです。
里帰り出産の予定がおありの方、もしくは既に経験している、またはこれからそういう事態が起こりうる、という方に読んでいただき、何か参考になれば幸いです。
書き上げて読み返すと、私の懺悔の色合いが強いのですが、温かい目で読んで下さるとありがたいです。
パパっと読むための目次
里帰り出産を選択した理由
妊娠初期から里帰り出産を決めていた
私たちは、出産のことは妊娠後すぐに話し合っており、最初から里帰り出産をすると決めていて、病院も予約をしていました。
妊娠発覚後一か月後には、既にそうしていたと思います。
病院の受け入れ可能数にも上限がありますので、予定日がわかれば、それに合わせて早期に予約を入れねばなりません。実際に、私達が予約をした時も、予約が取れるかとれないかの瀬戸際でした。
人気のある病院や産院ほど、早くに予約がされますので、普段から病院を決めておき、発覚後はなるべく早めに予約を入れることが重要です。
私たちが現地出産でなく、里帰り出産を選択した理由は
・妻の実家が近くにあること
・行きたい病院があったこと(公立病院を希望していました)
です。
妻の実家が近くにあること
このような理由で、里帰り出産を選択される方は多いと思います。
私たちの場合もこれがメインでした。臨月を迎え、いつ生まれるか分からない状態の妻に、ひとり京都の家で過ごしてもらうのは、「何かがあった」時に、対応が遅れてしまうかも知れないからです。
通常の出勤日であれば、7時~17時までは私は拘束されます。それならば、実家のお義母さんと一緒に暮らしてもらい、何かあった時にすぐに対応して貰える方が、私も安心です。
妻としても、土地勘もなく知り合いも少ない京都にいるよりは、気心も知れ、知識も経験もある両親と一緒に過ごした方が不安は小さくなります。
また産後も、右も左もわからないうちは実家でお世話になった方が心身ともに負担は少なくなるだろう、という考えです。
行きたい病院があったこと
病院についても、妻の実家に近く、評判も良かった市立病院を選びました。
私立の病院は費用が高かったり、営利目的で過剰なメニューを提案されたりする場合もあると聞いており、それを避けるため公立病院を希望していました。
京都の場合は公立病院が近くになかったので、それも里帰り出産を選ぶ理由となりました。
これらより、私もこのときは、それほど深く考えることもなく、「里帰り出産の方が妻にも、私にとってもベストな選択だ!」と二つ返事で決めた記憶があります。
予定通りにはいかなかった出産
早めの里帰り、遅めの帰宅
産前は、少し早めの31週目(11月下旬)には、実家に帰ってお世話になっていました。
里帰りは3月末くらいまでかな、と事前に話し合っていたので、期間は4ヶ月程度の予定でした。
しかし、実際には出産後の妻の体調が芳しくなく、私の準備も想定よりも時間がかかってしまい、帰宅は6月末になりました。
合計7か月、妻と娘が実家でお世話になり、私は一人暮らし状態になったのですが、その期間も、帰ってきてからも、妻も私も非常につらい思いをしました。
私が感じた夫のメリット、デメリットを書いていきます。
夫の里帰り出産のメリット
仕事に集中できる
妻の体調管理やフォローを行うことが物理的に難しくなるため、当然ながら夫の負担は激減します。
私などは独身時代、一人暮らしをずっとしていたので、一人での生活には不自由しませんでした。
私の場合、月に二回程度連休を頂いて、その時に妻の実家に来訪し、状況報告などをしていました。(検診日に休みを合わせて、一緒に病院へ行ったりしました)
よく言えば分担、悪く言えば投げっ放し。私も、実家の両親に妻の身の回りの世話をしてもらうことで、ずいぶん仕事にエネルギーを回すことができました。残業もし放題です(えぇ・・)。
里帰り出産のメリット、特に夫側のほうはこれに尽きます。
むしろ、それまで一緒にやってきていたことが無くなるため、休日などは本当にやることがありません。
臨月を迎えた大切な時期に、妻が身の回りから消える、というのは夫にどんな影響をもたらすのか、デメリットで触れていきます。
夫の里帰り出産のデメリット
(出産前)妻の体の状態が把握しきれない
出産目前になると、女性は目に見えて体型も変わり、いよいよ出産がおこなえる状態に体が変化していきます。
私達は、電話(テレビ電話も含む)やトツキトオカのアプリなどでコミュニケーション、情報共有をしていました。
これらの手段で、かなり妻の状態を知ることができたのは確かなのですが、半月に一回の来訪では、毎回思いもよらない驚きがあったのを覚えています。
やはり実際に会ってみることの情報量は、ほかの手段とは段違いで多いのです。
毎日、劇的な変化を体感し、肉体的にも出産を予感していく妻に対して、夫はどうしても受動的になりがちです。受け取れる情報が制限されるともなると、尚更です。
まず、ここで妻と夫の認識に差がついていきます。
(出産前)妻の精神状態が把握しきれない
妻は体の状態だけでなく、精神もとても不安定な状態に入っていきます。
これは、なにも出産前後のことだけを言っているのではなく、妊娠してから出産、出産後も2~3年は続く話で、男性には理解が難しい領域の話であるといえます。
人ひとりぶんの生命を作り出す大工事が、目下体の中で行われていくのですから無理もありません。
この変化に、大抵の男性がついていくことができません。(私もそうでした)
こういった心の動きを読むすべは、長い時間を一緒に過ごし、相手の考えを推し量ることでしか、身についていかないのです。
それを最初に体感し、学んでいかなくてはならない最初のタイミングで、別居という物理的な壁にぶち当たってしまうと、その後の取り返しはいっそう、困難になります。
ここでも、妻と夫の認識の差は開くばかりです。
(出産後)育児に必要なもの、方法、考え方が分からない
出産後も、里帰り出産の場合は、妻一人で日々めまぐるしく変わる環境と、慣れない育児への対応に追われることになります。(実家のバックアップはありますが・・)
ここには、決してマニュアル通りにはいかない赤ちゃんを相手に、試行錯誤し、苦労し、やっとの思いで見えてくるものがあるのです。
それは道具だったり、方法だったり、考え方だったりするのですが、それを伝えること自体が、この時点では困難になってきてしまいます。
特に出産直後は、体の回復で手一杯ですので、体調も万全とは程遠い状態です。
「そんな場合ではなくなってくる」のです。
夫は、とにかく置いてけぼりになります。それは妻の責任ではなく、進んで情報を拾いに行こうとしない夫側の姿勢に問題があると断言できるものです。
身をもって経験した今、やっとそれがわかります。
父親として、経験値が得られない
つまり私が言いたいのは、これに尽きます。
里帰り中、妻との間に微妙な隔たりを感じることがありました。
電話や体調などのデータ共有でそれを少しだけ、軽減することができた程度です。
それは私の方に、かなりの割合で責任があったと今では思っています。
私の方からもっと積極的に、できる限り実家に出向く回数を多くし、電話やメール、アプリなどで連絡を取ったり、もっと話をするべきだったのです。
気づいた時にはもう遅く、出産後もその隔たりは埋まることなく開くばかりでした。父親として何も成長できていない自分に焦りを感じましたし、何もできない無力感にもずいぶん苛まれました。
夫として、父親として、経験を積んでいくことが阻まれてしまう、ということが、パパ側の里帰り出産の最大のデメリットです。
産後クライシスとも呼ばれていますね。しかし、この兆候は里帰りの場合、別居した時点で始まっていると見た方がいいと思います。
里帰り出産における壁を乗り越えるために
それでも、夫婦ともに里帰りをするメリットは確実にありますし、そういう選択をせざるを得ない場面もあると思います。
そこで、私の経験をもとに、夫側のアクションとしてやるべきことを考えました。
実際の帰宅のシミュレーションをよく話し合い、明確にしておく
出産は、予想外のトラブルなどで予定通りにいかないことも多々あります。
そのため、スケジュールを立てても、その通りにいかないこともあるのですが、お互いの考え方、想定されることを伝え合っておくことで、その後の軌道修正がより簡単になります。
比較的時間のある出産前に、よ~く話をしておきましょう。
うちの場合は東京から京都という長距離でもあったため、新幹線か車か、ベッドや布団などの大荷物はどうするか、赤ちゃんの月齢や季節はどうなるか、移動当日のスケジュールは・・など、事細かに計画を立てました。
また出産後は、なるべく早期に妻子の帰ってきやすい最高の環境を整えましょう。
夫側としては、「帰ってくる妻とわが子との再会、生活のスタート!」という、まさに待ち焦がれた瞬間です。
その時のために、できる準備はすべて整えておきましょう。
いつでも帰ってきて問題ないよ!という環境を早く構築することで、妻も安心できますし、夫の熱意の証明にもなります。
妻の実家は、あらゆる点で妻が安心できる状況が揃っていることが多いので、一度育児の環境を構築してしまうと、それを敢えて移すことはとても決心のいることになります。
まだ月齢の小さい、赤ちゃんへの負担も心配ですしね。
その決心を阻害してしまうような要因、特に物理的なものに関しては、徹底的に排除してしまいましょう。
私の場合、これが少し遅くなってしまったために、妻に二の足を踏ませてしまったという反省があります。
妻と二人、一緒に育児をする意思を行動をもって示すこと
肉体、精神両面で追いつめられる妻に対して、夫の状態は変わりません。
これが夫の子育てにおける、ある意味一番大きな優位性ともいえるものです。
決して感情的にならずに、自分にできる子育てを最大限行うこと。それが結果的には妻と子供のためになり、自分のためになります。
とはいえ、子育ては妻がメインになることの方が圧倒的に多いです。うちも完全母乳のため、授乳だけは妻にやってもらうしかありません。
ただ「妻にしかできないこと」以外は、すべて夫もできるようになるべきだと思います。
任せられないかも・・という心配が、帰宅の足を遠のかせ、夫に対してきつくあたってしまう要因となりえます。
実際にうちでも、里帰り中や帰宅後に、夫婦で衝突してしまうことがありました。
精神的な不安定さが原因からなる部分も、間違いなくありますが、夫の行動がそれに拍車をかけてしまうことも、また確かなことです。
逆に言えば夫の行動ひとつで、そういった衝突は最小限に抑えられます。(まさに正念場です!)
私が夫婦での子育てに悩んでいたころ、先輩パパから言われた言葉が、今も印象強く残っています。
「赤ちゃんを産むという大仕事をしてくれたのだから、奥さんは既にそれで、夫には絶対にできないことを成し遂げている。夫はそれに対して感謝することしかできないのだから、日々身を持ってその感謝を伝えるんだよ」
この先輩パパは職場の同僚なのですが、とても家族仲が良く、私にとっては理想であり、目標とする家族像です。
現在の里帰りに対する印象
今考えると、手放しで里帰り出産に賛同するのは、夫としては「ちょっと待って」と言いたくなります。
父子手帳についての記事でも触れましたが、父親は直接体の変化がない分、自分の「父親への変化」をダイレクトに体感しにくい傾向にあります。
里帰りを選択されようとしているあなたは、その傾向が加速する弊害が自分の身に起こりうる、ということを知ったうえで、よく奥さんと話し合ってみて欲しいと思います。
それは奥さんやお子さんのために、ひいてはあなた自身のためにです。
家族でずっと仲良くしていたいですね。
以上、里帰り出産についてでした。