実践報告。赤ちゃん連れでの長距離、長時間移動攻略(特に新幹線)

himaguriです。
今回は、赤ちゃんを連れての長距離、長時間移動の記事です。
先日、妻を休ませようと、ティ子とふたりで図書館と公園と、近くにある総合ショッピングモールに行きました。
ほんの2時間ほどの外出でしたが、1歳の赤ちゃんと出かけることは、想像通りには行きませんね。
図書館のキッズスペースで、家にはない大判の絵本(うちの近所の図書館には、紙芝居だったり、A1サイズくらいの特大絵本があります)の読み聞かせをしたら、まったく集中してくれませんでした。
何度座らせても、後の本棚から本を引っ張り出したり、立ち上がってどこかに行ってしまうのです。
周りから見たら、さぞかし育児の初心者なパパに見えたことでしょう。
「あらあらあら」・・・そんな周囲の心の声が聞こえたような気がします・・・ぐぬぬ・・・
そんなこともあり、赤ちゃんは本当に周りをよく見ていて、目に入るもの全てが興味深いんだなということを、再認識いたしました。
その反面、同じところにじっとしているのは、ほんの短時間でも、赤ちゃんにとっては難しいことなのですね。
ティ子の新幹線での移動の時を思い出しました。うちの実家は関東で、今住んでいるところは京都なので、里帰り出産から帰宅する時も、新幹線だけで2時間半、ドアtoドアで4時間ほどの移動を経験しています。
そのときに検討したことや、前もって準備したことについて、記事にしておきます。
赤ちゃんを連れての長距離での移動がある方は、読んで得だった!と思われる記事になれば幸いです。
パパっと読むための目次
赤ちゃんの長距離移動について
長距離移動実績について(ティ子の場合)
参考までに、ティ子の移動の実績ですが、里帰り出産からの帰宅時(4ヶ月目の終わりごろ)と、妹の結婚式への出席時(8ヶ月目の終わり頃)の2回です。
前者では片道、後者は同日での往復の移動をしています。(よくやったなぁ・・)
どちらも、綿密な計画を立てての決行になりました。片道4時間の移動というのは、赤ちゃんのいる家庭であればある程度、ご想像がつくかと思いますが、実際はそのご想像をさらに絶する大変さです。(私は絶しました・・)
特に、最初の移動の時は、月齢もまだ4ヶ月の赤ちゃんを連れて、どうやって移動するか、どう赤ちゃんと妻の負担を最少にするかということで、色々と検討をしました。
里帰り先が遠方だと、こういった物理的な要因も立ちはだかってくるんですね。心理的な面・・・特にパパについての里帰り出産の影響については、こちらの記事でまとめました。
移動手段の検討・・・新幹線か、飛行機か、それとも自家用車か。
移動の方法として、大きく3つが考えられました。
新幹線か、飛行機か、自家用車か、です。
これらについて、色々な点から検証した表が、以下になります。
新幹線(普通座席の場合) | 自家用車 | 飛行機(エコノミーの場合) | ||
1 | 合計移動時間 | 4時間(2時間半新幹線+1時間半電車) | 5時間 | 3時間半(1時間飛行機+2時間半) |
2 | 待ち時間 | 電車の乗り換え時のみ | なし | 電車の乗り換え時+空港で約30分発生 |
3 | 授乳、おむつ替え | 駅、新幹線内で専用個室あり | 車内で | 駅や空港では専用個室あり。機内ではトイレのみ |
4 | 騒音 | 比較的静か | 車内で | フライト中は騒音が大きい |
5 | 振動 | 比較的静か | 運転に伴う振動あり | 機内では揺れることも |
6 | 気圧の変化 | トンネル内などで変化 | ほぼ無し | 空を飛ぶので変化大 |
7 | 荷物 | 電車内、新幹線内では基本的に抱えられるものまで。荷物置き場から座席が遠い場合も | トランクや空き座席に比較的多く積める。積んでしまえば負担は少ない | 機内には持ち込める荷物が限られ、預ける場合は待ち時間がかかる。最も制約大 |
8 | 公共性 | 隣との距離は比較的近い | 公共交通機関ではないため、ほぼ無し | 隣との距離が最も近い |
9 | 座席快適性 | 乗っている間は比較的快適。但し空調や照明は自前で調整 | 運転の揺れはあるが、乗り慣れた座席 | 最も狭く、空調や照明の調整も自前でやるしかない |
10 | 対応柔軟性 | 新幹線内では制約を受ける | 最も柔軟に対応可能 | 機内ではあまり柔軟な対応が期待できない |
11 | 親の負担 | 乗り換えにかかる負担のみ | 運転が大変。必然的に荷物も多くなるため、積み下ろしも大規模になりがち | 乗り換えにかかる負担のみ |
12 | 必須アイテム | オムツ、着替え、ガーゼ、よだれ拭き、タオル、移動中のおもちゃなどなどなどなど・・・ | ||
13 | 必須特殊アイテム | ベビーカー(抱っこひもでは無理があるため) 授乳用ケープ |
チャイルドシート 疲れた時に横になるための小さめ毛布 |
ベビーカー(抱っこひもでは無理があるため) 授乳用ケープ |
14 | 費用 | 約1万5千円/人 | 約1万円(ガソリン代+高速代、片道一律) | 約2万円/人 |
評価 | 比較的、現実的。車内での対応は車椅子対応座席、多目的室の利用でカバーできる | 最も心理的には楽だが、車での移動に慣れていないと辛い。運転者にも負担がかかる | 移動距離にもよるが、月齢の少ない赤ちゃんには不向き |
最終評価は、新幹線が最も現実的かなという結論に落ち着きました。
うちの場合は、東京⇔京都間の移動ですので、飛行機よりも新幹線のほうが少し早い程度なのですが・・・(京都は空港の便が悪く、トータルでかかる時間がさほど変わりません)
これが九州だったり、北海道だったりした場合は、飛行機を使うことのメリットである、「トータル時間の短さ」が目立ってくると思います。
また、うちはあまり重視しませんでしたが、車は一番経済的です。大家族だったり、車に乗り慣れている場合は、こちらを選択した方が良いケースもあるかも知れません。
どちらも、まだ私たちは実際に経験していないので、メリットがまだあるのではと考えており、これらは、おいおい試していきたいと思っています。
新幹線で移動するとき、是非利用を検討したい2ポイント
上の評価でもちろっと書いていますが、新幹線で移動する場合は、車椅子対応座席、多目的室の利用を検討することを強くおすすめします。
それぞれの設備の内容と、利用の方法について説明していきます。
車椅子対応座席とは?
新幹線は、グリーン車両以外は、3席/通路/2席、合計5席が通常の一列の並びになっていますよね。
この並びが、2席/通路(広々)/2席、合計4席となっているところが、車両によってはあります。(東海道新幹線の場合は全てですが、他では備えていない場合もあるようです)
これが車椅子対応座席で、名前の通り、車椅子で新幹線に乗車される方専用として、スペースが設けられているのです。
ここにベビーカーを置かせてもらうことで、ベビーカーを畳んで置いておき、赤ちゃんを膝に乗せてずっと抱っこしておく必要がなくなります。
荷物の移動の手間もなくなりますので、ベビーカーで新幹線に乗って移動をされる際は、是非とも検討したい席になります。
利用するには
これまた名前の通り、車椅子の方のためのスペースなので、原則的には車椅子のお客様が最優先です。
そのため、以下のような規制がかけられています。
①前日までの予約は、車椅子を利用している方以外は出来ない。
②当日に乗り合わせた場合は、席の移動をしなくてはならない。
①については、当日の朝早めに窓口に行って、2席の座席を利用させてもらえないか、相談してみましょう。
予約されている場合は意外と多いです。赤ちゃんの負担を考えると、車両が混み合っている早朝、深夜は避けたいのが心情ですが、この時間帯しか空いていない、ということも大いに考えられると思います。
そのため、選択肢をできるだけ増やすために、当日のなるべく早い時間帯に行くのがベストです。
利用の際の注意(マナー)
あまり不確かなことは書きたくないのですが、窓口の担当者さんの裁量にも影響されると思います・・
あくまで「もし空いていれば」というスタンスで、失礼のないようにお願いするのがいいと思います。
当然といえば当然ですが、もともとの設置目的が違うので、そこから外れた利用をさせてもらっている、という意識のもと、マナーを守って利用しましょう。
予約で一杯の場合や、上で挙げた②の場合については、どうしようもありませんので、潔くベターな案を探します。
喫煙車両から遠いか、降りたときのエレベータや荷物車両、トイレが近いか、車両の先頭or末尾の荷物スペースを使うか・・等、予め優先順位に応じて、第二候補を決めておきましょう。
多目的室とは?
JR西日本の「JRおでかけネット」に、多目的室の説明がありますので、引用します。
山陽・北陸新幹線では、全ての列車に「多目的室」を設置しております。「多目的室」のご利用はお体の不自由なお客様が優先となりますが、お体の不自由なお客様のご利用がない場合には、授乳や着替え、お客様の体調の思わしくないときなどにご利用いただけます。ご希望の方は乗務員までお申し付けください。
多目的室については、全国のJRで統一された案内ページは無いようです。JR東海とJR西日本は見つけられたのですが、東日本、九州、北海道はそれらしいページを見つけられませんでした。
全国の車両と、設備概要については、こちらのサイト様が一通りまとめて下さっています。
こちらも、第一の目的は体の不自由な方のためですが、利用がないときは、授乳などでも使うことが出来ます。
場所は、車椅子対応座席のある車両の、隣の車両であることが多いようです。
利用するには
利用したい時は、車掌さんに申し出て、鍵を開けてもらい、利用が終わったら、再度申し出て施錠をしてもらう、という流れを踏む必要があります。
この手続は、赤ちゃんを連れていることを考えると、赤ちゃんも含めて3人以上(例えばママと赤ちゃん+パパの3人)が同行していることが、極めて重要です。
車掌さんは常にいてくれませんので、車掌さんを探す旅に出なくてはなりませんが、赤ちゃんと二人きりの場合、移動車両の中、抱っこして探すのか?ベビーカーを押していくのか?その間の荷物はどうするのか?といった問題が生じてきます。(赤ちゃんを置いて一人で探しに行く方法などは、最初から「なし」と考えています。)
というか、車椅子の方が利用していたとして、こういった問題はどう対処するのでしょうね・・
この問題が利用前後、荷物もあれば最中でもついてまわるので、もうすこし利用者に便利な仕組みがあればいいと思うのですが・・改善に期待です。
ともあれ、3人以上いることが重要というのは、そういった理由からです。私達の場合も、里帰りの時はおばあちゃんが、結婚式の時は私が同伴し、車掌さんとの連絡役と荷物番をしました。
利用の際の注意(マナー)
これも、ほぼマナーやモラルの範疇ですが、自分たちよりも優先して利用したい方がいないかは、最初に確認しましょう。
また、こちらも車掌さんの裁量によるところの判断が大きいです。
利用している時に、「もう終わりましたか?」とノックして聞いてきて下さる車掌さんもいれば、解錠後はほぼ干渉せず自由にさせて下さる車掌さんもいます。
前者の時、私達は携帯で連絡を取りながら、あとどれくらいかを私が車掌さんに伝える、といったことをしていました。
特に後ろが詰まっている様子でもなさそうだったので、このへんは車掌さんや当日の状況によって変わるところだと思います。
長距離移動は「周到に」計画的に
長距離移動は大仕事です。
自分の身一つでも、長く乗っているだけで疲れるのですから、赤ちゃん連れで気を遣いながらの旅は、それはもう超仕事です。
ものすごく周到に準備をする必要がある、と心得ましょう。
そのための検討と、特に新幹線利用におけるポイント2点をまとめました。
これらの利用には少し煩雑な手続きが要りますが、利用できたときの負担の軽減効果はそれを補って余りあるものです。是非、ご検討されることをおすすめします。
最後に、移動は大変な疲労を伴いますので、次の日はできれば休日にして、なるべく体を休ませましょう。
子育ては体力が命です。体調を崩さないように、ご注意くださいね。
以上、赤ちゃんの長距離移動について、でした。