読み聞かせに楽しい絵本「きんぎょがにげた」指差しのできる子に。

himaguriです。
誕生日プレゼントに、妹夫婦から絵本を頂きました。
タイトルは「きんぎょがにげた」。
出版社は福音館、著者は五味太郎さんという方で、調べてみるとかなり有名な方みたいです。
たしかに、絵のタッチはどこかで見覚えのある・・というよりも、昔から慣れ親しんだ絵柄です。
ビビッドかつ温かい色彩、微妙にでこぼこした曲線、やさしいデフォルメの絵は、私が子供の頃から、色々な絵本やイラストで目にしたことがありました。
この「きんぎょがにげた」でも、ピンク色の金魚が登場するのですが、初めて見たとは思えない、懐かしい感じがしました。
読んでみた結果、「ゆびさし」のできる赤ちゃんには特におすすめしたい内容だったので、レビューしていきたいと思います。
ストーリー
タイトルの通り、ピンク色の「きんぎょ」が、住んでいた金魚鉢からなぜか逃げ出してしまい、それを追いかける視点で物語が展開されていきます。
逃げるだけでなく、隠れることも得意なようで、その場所ごとに何かに隠れ、どこにいるのかを探す、ゲーム性のある内容となっています。
このあらすじだけを見ると、なんとなく、「およげたいやきくん」を思い出してしまいますね。
たいやきくんの場合は、最後はあのような結末となってしまいましたが、きんぎょの場合は、どうなってしまうのでしょうか。
それは、読んでみてのお楽しみです。
みどころ
主人(魚?)公の「きんぎょ」ですが、ぽってりとしたシルエットがとてもユニークです。
色もかたちも、非常に目立つ風体をしているので、どんな風に隠れおおせるのかは、読んでいる方も毎回、気になるところです。
時に巧妙に、時に大胆に、その場その場で風景に溶け込みますが、毎回の隠れ方の完成度、アイディアが一つ一つ全く違うので、1シーンごとに色々な解釈をすることができます。
「うまく隠れたなあ」というところもあれば、「これは・・隠れてるつもりなのだろうか・・?」というところもあります。
単に「隠れている」に留まらないようなシーンまであります。
見開きできんぎょを探す中で、五味太郎さんのやわらかい世界観の絵をよーく観ることができるので、きんぎょだけではない、色々な発見があります。
手描き、手塗りの質感の、どこか懐かしい、見ていて楽しくなるような絵です。この絵も、非常におすすめしたいみどころの一つです。
こんな子にオススメ
隠れているきんぎょを探すことが、この絵本の第一のテーマになっています。
「ゆびさし」ができるようになったら、この絵本を読み聞かせて、きんぎょを一緒に探すと、親子で楽しめると思います。
また、表紙に描かれている、ピンクで丸っこいきんぎょの絵が好きそうであれば、喜んで探してくれるでしょう。
絵本には、2〜4歳向けと書かれていますが、1歳のティ子でも、楽しく読んでいます。(ピンクはティ子の特に好きな色の一つです)
最近はなんでもかんでも指をさしているので、絵本を読み聞かせながら、ゆびさしをさせてみたところ、一度だけ成功しました。
妻は、「きんぎょの横顔ってわかるのかな?」と言っていました。たしかに、きんぎょは横を向いており、目も1つしか描かれていません。
正面の顔であれば、キャラクターの顔認識はできているのですが、横顔は微妙なラインかも知れません。もしかしたら色に反応したのかも?
今のところ、一度しか成功していないので、これから先、どんな風に成長していくのか、今後の楽しみにしています。
味わい深い本です
あえて、そうしているのではないか?と思うのですが、きんぎょが逃げ出した動機や、逃走中の心理描写などには、特に物語の中で触れられていません。
また、最後の結末は、最初の状況とは異なったところに落ち着きます。
このあたりの点について、自分で想像しながら、背景をプラスして読んでいっても面白そうですね。
会話ができるならば、子供にそれを考えてみてもらい、発表してもらうのも楽しそうです。
想像力をかきたてられる絵本は、読み手にとっても、応用を利かせた読み方ができて有用ですし、子供にとっても、想像の楽しさを教える上でとても良いと思います。
きんぎょ探しで一通り、それ以外でも楽しめる、味わい深い絵本だなぁと感じました。
以上、読み聞かせ、指差しに楽しい絵本「きんぎょがにげた」のご紹介でした。