読み聞かせ入門にはこれ。2転3転する展開と、子ども心理を突いた絵本「ノンタンぶらんこのせて」
himaguriです。
今日は、絵本「ノンタンぶらんこのせて」をレビューしていきます。
ティ子が0歳の時から読んでいる絵本で、シンプルな構成の中にも鋭い視点を持っていて、なかなか興味深いストーリーです。
「ノンタンシリーズ」って有名過ぎて、何をいまさら?という感じですらありますが(私や妻が子供の頃からあります)、それだけ長きにわたって愛され続けているのには、何か本質的な「理由」があると思うのです。
特に子どもにウケ続けている、というのがすごいと思いません?
大人になってしまうと、自分が子供の頃にどんな考えを持ってたのか、どんな感情を走らせてたのか、昔のことほど忘れてしまいます。
そういうものって不定形ですから、年齢を重ねるごとに非合理だとか論理的でないとかで、棄却されていってしまいがちだと思うんです。
そんな子供たちの感覚に訴えかけ続けるエッセンスがこの本には詰まっているということです。実に興味深い。
私など、小学生ぐらいのころ、ノンタンってむしろなんとなく嫌いな方でしたからね。生意気そうで、小憎らしいような印象を持っていた気がします。絵がなぜかそう感じさせたんです、少年himaguriには。
でも、親に聞くともう少し前の物心つく前なんかは、喜んで読んでたと聞きますし、今となっては親子揃って大好きになっているのですから、不思議なものです。
そんな思い入れのある「ノンタン」ですが、この「ぶらんこのせて」はシリーズの中でも、一二を争うレベルで展開が二転三転するので、特にオススメしたい一冊です。
向いているのは・・・
・友達(社会)
・数(1〜10まで)
などに、興味を持ってきた頃のお子さんだと思います。
そして、パパママ向けにも、「読み聞かせ」という視点で、非常に適しています。
それではレビューしていきますね。
パパっと読むための目次
ストーリー
大きな木についている、1つのオレンジのブランコ。
タイトルコールのページでは、ノンタンが、あおむしさんと何やら交渉しているところから始まります。
ブランコに乗ったあおむしさんに対し、木の上の方を指差しているノンタン。
次のシーンからは、ブランコに乗ったノンタンのもとへ、うさぎさん、ぶたさん、たぬきさん、くまさんが次々とやって来て、ブランコに乗せてくれとせがみます。
でも、ノンタンはまだまだ乗り足りない様子で、彼らのお願いを断り続けます。
なかなか順番を代わってくれないノンタンに、ついに怒り出してしまううさぎさん達。
帰ってしまおうとするみんなを見て、ようやく焦りだすノンタン。
「10まで数えたら、代わる」という約束をして、みんなを引き止め、数を数え始めます。しかしその様子はどこか不自然で・・・・?
なんと、ノンタンはまだ、途中までしか数が数えられないことが判明します!
いつまでたっても10まで行かず、またもや顰蹙を買うノンタン。
そこで、みんなが示した解決策とは・・?
果たして、壊れかけた友情は修復できるのか!?
次回に続く!!(ズバーン!!)
みどころ
それほど意外な結末でもないので、もう書いてしまうのですが、3までしか数えられないノンタンのために、みんなで10まで数えて、順番にぶらんこを代わっていく、という結末なんです。
この本、ティ子は大好き過ぎて、もう何っっ回読んだかわからないような本なのですが、子どもの心理をよくピンポイントに突いた構成だなぁ、としみじみ感じます。
のせて、のせてとせがんでくる友達が来れば来るほどに、手放したくなくなる心理なんかは、子どもは非常に共感できるものだと思いますし、
さらには、怒り出してしまったみんなの手前、10まで数えられないのに、「10まで数えたら順番変わるよ」と言い出してしまい、引っ込みがつかなくなってしまうところなど・・・
とても、大人の感性ではすんなりと出てこないような心の動きが表現されていますよね。
ノンタンシリーズで一貫して描かれているのが、このちょっとワガママしたい感じだったり、思い通りにいかないような視点で、子供にとってはとても「わかる!」となるんじゃないかな、という感覚です。
「ぶらんこのせて」では、そんな感覚がとても鋭利に切り取られているので、シリーズ中でも屈指の完成度だよなぁ、と思うんですよね。
読み聞かせが楽しくなるセリフまわし、リズム!
これもノンタンシリーズには共通して言えることですが、文章がとにかく読み聞かせに適した、リズム感溢れる構成なのです(意識して作っているとしか思えない・・)
これによって、読み聞かせも自然に上達してしまうというポイントも、見落としてはいけない見所の一つですね。
読み聞かせをしたことのない、新米のパパママは、ノンタンを手に取ることで、最初の偉大なる一歩を踏み出すことができるでしょう。
ティ子さんの場合・・
うちのティ子さんはばっちりとノンタンに感情移入し、ぶらんこを譲らない時の「だめ、だめ」だったり、ついに折れた時の「まってよ、まってよ、かわるよ、かわるよ」だったりといったセリフを、リアルでも好んで使っていました。
10まで数えるというのも、色んなところで応用して使っています。
実際に公園に行ってブランコに乗った時はもちろん、お風呂に入った時なども喜んで「10まで数える!」とせがんできます。
もちろん、おまけのきしゃぽっぽもセットです。
これのおかげか、10までの数字を完全に覚えてしまうのは、かなり早かったですね。1歳くらいには全部、言えていたと思います。
まとめ。絵本界の古典文学、未体験なら是非どうぞ
まとめます。
・私たち親世代が子供の頃から、広く長く支持を受け続ける、小さい子がとても共感しやすいストーリー
・読み聞かせの練習にも最適な、読むだけでリズム感が出てしまうテキスト構成
・数字も言葉も、リズムに乗せて簡単に覚えられてしまう
これから絵本のレビューをたくさんしていきたいと思っているので、まずは原点ともいうべきこちらの作品をノミネートしてみました。
ストーリーの魅力もさることながら、読み聞かせを上達させたいと思っているパパママさんにも、自信を持ってお勧めできる一冊ですよ。
以上、「ノンタンぶらんこのせて」のレビューでした。
贈り物にも。たくさんの絵本の取り扱いのあるサイト「絵本ナビ」はこちら↓
Comment
こんにちは(^ ^)
イガイガです。
ノンタン、内容も良いし読んでて楽しいですね(^_^)
うちの子も私自身も大好きです!
紹介されている、ブランコの本も読んでみます(^。^)
絵本って種類やら何やら多くて、何を読もうか度々迷うので、絵本の記事、とても参考になっていますw
ありがとうございます(^_^)
こんにちは、イガイガさん。
いらっしゃいませ^^
絵本の世界も奥深いですよね。
表紙を見ても特に何も感じなくても、中身を見たら面白い!
なんてこともよくあります。
マイナーなものも順次、ご紹介していければと思いますので、
ぜひ、参考にしていただければ!
「ぶらんこのせて」我が家でも読み聞かせてみました!!
親である私は、いい話だな〜と思いながら楽しく読めたのですが、肝心の子どもは、途中の気まずい雰囲気に耐えきれない様子で正直なところ少し嫌そうでした(^^;;
私がリズムをつかめず楽しい雰囲気で読めなかったせいもあるかもしれませんが…(~_~;)
もうちょい親子ともにそれぞれ成長できたら、すっごく楽しめそうです!(^_^)
ところで、絵本といえば、我が家では平山和子さんの作品をよく読んでいます!この方は東京藝術大学を卒業されていて、とにかく絵が素敵で… そして内容も良いです。
「いちご」「やさい」「おにぎり」「たんぽぽ」が特にオススメです!
良かったら一度、ご覧になってみてください!(^^)
イガイガさん、こんにちは。
いつもご訪問&コメントありがとうございます^^
おぉ、読み聞かせてみましたか!
でも気まずさが優ったということで・・いろんな反応があるのですね。面白いです。
実はこの本を読み始めた当初も、「このノンタンのいじわる感は、教育にどうなの?」というような
議論も、私たち夫婦の間であったんですよね。
案の定、うちの子には感情移入がしやすかったようで・・・でも、最後には円満に解決しているので、
今のところは問題なしと見ています。最後まで楽しく読めますしね。
お子さんの反応を見ながら読まれているようで、とても素晴らしいと思います。
オススメの絵本、ありがとうございます!
調べてみると、「やさい」の表紙は見たことがありました。
非常にリアルで、綺麗な絵だなと思ったのを覚えています。
ちょっとチェックしてみたいと思います!